今回は前回に予告したモーツァルトシリーズの最終回(『魔笛』篇)は先送りして、久しぶりに音楽と関係ない本の話題。 カズオ・イシグロの『クララとお日さま』(ハヤカワepi文庫, 2023)、これは昨年8月に文庫化され、本を買ったのは10月頃だったと思うが、ようやく読む時間がとれたので、日曜日(17日)に読み始めて今朝読み終えた。イシグロのノーベル賞受賞後第一作で、単行本初出は2021年だった(イギリス、アメリカ、日本の3国で同時発売)。 www.hayakawa-online.co.jp イシグロの小説を読んだのは4作目(すべて長篇)。ロボットのクララの一人称で語られる物語というだけで、2021年…