1968年から74年まで放送された東京12チャンネル(現=テレビ東京)の懐メロ番組。
1968年ごろに昭和20年以前に活躍した歌手を東京12チャンネルの歌番組で歌ったのが懐メロブームの火付け役となった。これがきっかけで半ば引退状態だった歌手がこの番組で再登場した。特に小畑実はすでに引退したが、これがきっかけで歌手として復帰してる。当初は半年間の放送だったが、その年の10月から本放送としてスタート。人気はうなぎのぼり。また、その年の大みそかには「紅白歌合戦」の対抗番組として「なつかしの歌声年忘れ大行進」も作られた。これに触発されたNHKは、のちに「思い出のメロディー」と「夏の紅白」と称される懐メロ番組もできたほどこの番組の影響は大きかった。
1973年3月まで放送されて、また、1973年10月から1974年3月まで放送。
1974年3月31日放送が「なつかしの歌声」のレギュラー回の最終回。最終回は、灰田勝彦、藤山一郎、近江俊郎が出演した。
この番組を素材に昭和30年以降の歌手のヒット曲を歌う番組が「にっぽんの歌」と言える。1982年からの放送である。
また、「なつかしの歌声年忘れ大行進」は、のちに「年忘れにっぽんの歌」として引き継がれた。
1992年から「昭和歌謡大全集」で残ってる映像を基に紹介。「なつかしの歌声」は、放送された当時、著作権が厳しい中、ほとんど残されており、岡晴夫はレギュラー回でモノクロ時代の出演した放送を何度も紹介。当時存命だった岡本敦郎、田端義夫、織井茂子、菊池章子、並木路子などは、放送された「なつかしの歌声」のVTRを実際に見てる。
言い換えれば、昭和歌謡を知る資料としてこの番組の存在は大きかったということだ。
また、「昭和歌謡大全集」終了後の後継番組の「懐かしの昭和メロディ」の一部使用されてる。
「昭和歌謡大全集」でVTRを紹介されるほど映像は多数残ってる。と思われがちだが、実は、全回すべてではなく、7割近くは残ってる。
当時高価だったVTRテープは、モノクロ時代の1969年夏に放送された回が最古。カラー時代は1970年5月以降は残ってるといる。が、一部欠番がある。しかし、保存状況について完全な情報は不明である。