Farewell, My Lovely
ジョー・ディマジオの連続試合安打に沸く時代。私立探偵フィリップ・マーロウはナルティ警部を呼び出して、自分が巻き込まれた事件の真相について話し出す。男と女の情念に彩られた連続殺人事件を。
レイモンド・チャンドラーの同名小説2度目の映画化。冒頭のジャジーな音楽とネオンに彩られた映像、主人公のモノローグから引き込まれる名作。複雑な原作をかなりすっきりと整理し、結末のつけ方も改変した結果、優れたハードボイルド映画の古典となった。ジェリー・ブラッカイマー初期の作品で、後の空疎で派手な作風とはまるで想像も付かない、感傷的な作品だが、これは製作総指揮を務めたミステリ好きプロデューサー、エリオット・カストナーの趣味によるもの。原作よりも老けたロバート・ミッチャムのマーロウは好評で、カストナーは続けて『大いなる眠り』も映像化したが、こちらは本作に及ばないとの見方が多い。
無名時代のシルヴェスター・スタローンもチンピラ役で出演している。
さらば愛しき女よ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-2))