軽重いろいろなテーマがあるが、一番チカラを入れて書いたと思われるのが「統帥権」というテーマ。これの乱用が軍国主義を生み、日本の開戦~敗戦に至ったのでありますが、著者は、軍部がいつ頃から、なぜ、暴走してしまったかをエッセイとして書いている。くそ暑いときに、くそ堅苦しい話であります。 統帥権(とうすいけん)とは軍隊を指揮、管轄する最高権力のこと。日本では大日本帝国憲法下における、という前提がつく。表向きの統治者は天皇でありますが、実際は軍のトップが指揮する。この解釈と運用を巡っていろいろな考え方があり、日露戦争以降においては軍の意見が強力になって軍事政権化し、最後は太平洋戦争開戦に至ってしまう。d…