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『メッシュ』

(マンガ)
めっしゅ

漫画 コミック
関連語:リスト::漫画作品タイトル
萩尾望都の連作長編マンガ
舞台は現代のパリ。ブロンドの髪の一部に銀髪が混じっているため仲間から「メッシュ」と呼ばれている中性的な美貌の少年が主人公。背景になっているパリの裏側の雰囲気・存在感が何とも言えない味わいを感じさせ、良質なフランス映画を思わせる傑作。また、「父殺し」が通奏低音として緊張感を漂わせ、「血縁」・「家族」の愛憎に深く切り込む心理描写がすごい。そうでありながら時にはさまれるコメディタッチな部分が全体を和ませ、萩尾作品ならではのバランスのとれた展開がすばらしい。
なお、劇団「Studio Life」により、舞台化の予定。2005年6月15日(水)〜7月4日(月)新宿シアターサンモールにて。 

手に入りやすい本

メッシュ (1) (白泉社文庫)

メッシュ (1) (白泉社文庫)

メッシュ (2) (白泉社文庫)

メッシュ (2) (白泉社文庫)

メッシュ (3) (白泉社文庫)

メッシュ (3) (白泉社文庫)

内容

自分の父親を殺したいほど憎んでいるメッシュは家を飛び出し、不良仲間や裏稼業の男のところを転々としていた。しかし、ある時仲間に裏切られ腕の骨を折られて、追い出されてしまう。そこにたまたま通りかかった長い黒髪の「ミロン」という男に助けられ、他に行く当てもなく同居することになる。ミロンは表向きは模写専門の画家であるが、裏では贋作も手がけている。ふだんは温厚なミロンだが、仕事に没頭している時に邪魔されると突然ブチ切れてしまうため、付き合っていた女性に愛想を尽かされること数知れずだったのだが、メッシュとは妙に波長が合い、またメッシュも今まで知らなかった安らぎを感じるようになる。しかし、メッシュの中性的な容貌と、人を惹き付ける眼差し、そしていまだ心の底に潜む暗い影が、次々に事件を招き寄せていく…。

構成短編リスト(発表順・初出は全て小学館「プチフラワー」)

  • 「メッシュ」(80年・夏の号)……メッシュがミロンに拾われ同居を始めたが、以前面倒を見てもらっていた「ドルー」というやくざっぽい男の思惑で、憎んでいる父と会わざるを得なくなり…
  • 「ルージュ」(80年・秋の号)……ドルーの事件がきっかけとなり、いよいよメッシュは「父殺し」を行動に移そうとするが…。
  • 「春の骨」(81年・初夏の号)……ひょんなことからアングラ劇の演出家と知り合いになり、「骨」の姿をした「死に神」の役を演じることになったメッシュはいきがかりで事件を…。
  • 「モンマルトル」(81年・夏の号)……ミロンに出会う前、ドルーと暮らしていた頃の話。金を稼ぐため裏の仕事があるギャルソンをしていたメッシュに「ストーカー」が…。
  • 「革命」(81年・秋の号)……公園で泣いている「ジュジュ」という年上の女性に惹かれるメッシュ。しかし、彼女の昔の男が現れ…。
  • 「ブラン」」(81年・冬の号)……全編コミカルな話。風邪を引いて取引に行けなくなった画廊の主人に代わって、ミロンとメッシュが贋作を売りつけに行くが、相手は暇をもてあましたスキモノの金持ちで…。
  • 「耳をかたむけて」(82年・5月号)……ある日、ミロンが子供の頃世話になった故郷の恩人が亡くなったという手紙が来て、ミロンは帰郷の途に。そこに勝手についてきたメッシュ。ミロンの子供の頃起きた友人の水死事件を巡ってミロンの心に波乱が…。
  • 「千の矢」(82年・7月号)……ある日、メッシュは偶然出会った頬に星形の傷がある画家「エトゥ」に「天使を描くからモデルになってくれ」と頼まれる。彼の実家で制作に取りかかるが、そこでエトゥが子供の頃、母との間に起きた事件が蘇ってくる…。
  • 「苦手な人種」(82年・9月号)……宝石店で万引き騒ぎに巻き込まれたメッシュ。その経営者の娘「ルー」はロック歌手の追っかけをしている現代っ子。さすがのメッシュもコミュニケーションを取ることができず途方に暮れるが…。
  • 「謝肉祭」」(83年・3月号)……フォーラム・デ・アルでデザイナーの「オズ」に出会ったメッシュは、「ファッションモデルにならないか」と誘われる。ミロンも巻き込まれ、上流家庭での個人ファッションショーに出演することになる。その準備の最中、オズの大学時代の親友「ルシアン」と「マルラ」が現れ、オズの心をかき乱す。その上ルシアンがメッシュに異常な執着を…。
  • 「シュールな愛のリアルな死」(84年・6月号)……メッシュシリーズ完結作。突然兄と名乗る男から、「君は妹のフランソワーズだろうと」電話がかかってくる。しかも、死んだと思っていたメッシュの母が生きているという。仕方なく、女装して出かけるメッシュだが、そこでは過酷な事態が待っていた…。(発表順の初出データは「萩尾望都作品目録」を参考にさせて頂きました。)
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