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萩尾望都の連作長編マンガ
舞台は現代のパリ。ブロンドの髪の一部に銀髪が混じっているため仲間から「メッシュ」と呼ばれている中性的な美貌の少年が主人公。背景になっているパリの裏側の雰囲気・存在感が何とも言えない味わいを感じさせ、良質なフランス映画を思わせる傑作。また、「父殺し」が通奏低音として緊張感を漂わせ、「血縁」・「家族」の愛憎に深く切り込む心理描写がすごい。そうでありながら時にはさまれるコメディタッチな部分が全体を和ませ、萩尾作品ならではのバランスのとれた展開がすばらしい。
なお、劇団「Studio Life」により、舞台化の予定。2005年6月15日(水)〜7月4日(月)新宿シアターサンモールにて。
自分の父親を殺したいほど憎んでいるメッシュは家を飛び出し、不良仲間や裏稼業の男のところを転々としていた。しかし、ある時仲間に裏切られ腕の骨を折られて、追い出されてしまう。そこにたまたま通りかかった長い黒髪の「ミロン」という男に助けられ、他に行く当てもなく同居することになる。ミロンは表向きは模写専門の画家であるが、裏では贋作も手がけている。ふだんは温厚なミロンだが、仕事に没頭している時に邪魔されると突然ブチ切れてしまうため、付き合っていた女性に愛想を尽かされること数知れずだったのだが、メッシュとは妙に波長が合い、またメッシュも今まで知らなかった安らぎを感じるようになる。しかし、メッシュの中性的な容貌と、人を惹き付ける眼差し、そしていまだ心の底に潜む暗い影が、次々に事件を招き寄せていく…。