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「訪問者」

(マンガ)
ほうもんしゃ

漫画 コミック
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萩尾望都の中編マンガ。『トーマの心臓』の外伝的作品で、オスカー・ライザーが主人公。オスカーの少年期(シュロッターベッツ・ギムナジウムに転学してくるまで)を描いている。
小学生時代のオスカーは、ませてはいるが、けなげで明るい少年だった。両親(グスタフとヘラ)の仲は子どもにもそうと解るほど冷めていた。無口で家庭のことを顧みず、写真家として認められることを追い求めるグスタフ。現実的で、家族のつながりを保とうとしているが、仕事に忙しいヘラ。オスカーは「すてきな一家」であることを強く望んでいるが、ときどき家の中でどうしようもない疎外感を味わう。
グスタフが趣味の狩猟に行く時、オスカーは一緒に行くのが習慣だった。ある時、猟の最中に、グスタフから「神様が来た話」を聞く。それは命を奪うことを生業としている「狩人」のもとに、ある雪の日、「神様」がやってきて「裁き」を下そうとするが、狩人に家にいた彼の幼い息子を見て、裁くのをやめて帰っていったという寓話のような話だった。オスカーはそんな父親をかけがえのない大切な存在と強く感じるようになった。
しかし、ある日悲劇が訪れた。狩猟から帰った、グスタフの銃が暴発し、ヘラは死亡。深い悲しみに突き落とされるオスカーに、さらに過酷な事態が訪れる。家にやってきた刑事が、グスタフがヘラを撃ち殺したという疑いを抱いていたのだ。真相はどちらなのか?
その後グスタフとオスカーは長い旅に出る。次第に息子に歩み寄るようにも見えるグスタフ。旅の結末はどうなるのか?
最後までオスカーの抱く切ない願いが読者の胸を刺す。長編でなく、外伝ではあるが、独立した作品として、萩尾望都の作品群の中で特に優れたものといえる。

手に入りやすい本

訪問者 (1) (小学館文庫)

訪問者 (1) (小学館文庫)

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