ミステリ好きの方・ミステリのおける探偵のキャラの立ち方が好きな方・ミステリがもたらすカタルシスに酔いしれたい方。ミステリの持つ魔力に囚われた方も囚われそうな方も今から囚われる予定の方も、どなたでも大歓迎。
はてなブログを持っていれば、誰でも参加できます。
昔から、社会派ミステリが好きである。現実の地名とその風景描写から浮かび上がる世情や登場人物の人間くささを嗅ぎ取るのがこのうえなく愉しいのだ。魅力的な謎が絡めば完徹確定である。 本作の舞台も謎も惹かれる設定だ。1994年の冬、箱根湯本と新宿を結ぶ路線(何線かすぐわかるが、本書の書き方に従って伏せる)の途中、下北沢三号踏切において、列車の緊急停止が相次いでいた。踏切内に人影を見たからだ。ところがいずれ…
Je m'appelle 「じゃあ、次の中から選んでください」 「え?」 「死に方です」 「あ、ああ。もう始まってしまうのね」 心の準備が間に合わない。 「A安楽死、B悶絶死、ハイどっち?」 「Aに決まっているでしょ」 「あー、つまんないヒト」 「つまらなくてもいいから絶対安楽死にしてよ。ふざけたりしないでよ、ここは。頼むから」 「じゃあ次の問題です」 「問題なのかよ」 「A五分後に死ぬ、B五百年…
お題「邦画でも洋画でもアニメでも、泣けた!というレベルではなく、号泣した映画を教えてください。」 『STILL LIFE』(コメディ)(邦題 おみおくりの作法) http://bitters.co.jp/omiokuri/ 物語はシニカルなコメディタッチで、粛々と進みます。 エディ・マーサンの抑えた演技がいい。 最後に思いもかけない展開が! 大号泣間違いなしの映画。 youtu.be 葬送が主題な…
The Gracie Allen Murder Case 1938年発表 ファイロ・ヴァンス11 井上勇訳 創元推理文庫発行 前作『誘拐殺人事件』 次作『ウィンター殺人事件』 ついに残るはあと1冊となったファイロ・ヴァンスシリーズ。 シリーズのお約束、英語6文字+Merder Caseさえ忘れ去られた番外編のような作品。それもそのはずで、本作はタイトルと同名の実在するコメディエンヌ、グレイシー・ア…
瀧山物語を書き進めて行くと、おとぎ話の「浦島たろう」につながってしまった。 ■驚きながらも慎重に検証を重ねていくと、 安易に笑い飛ばし否定することが出来るだろうか? という思いになった。 笑い話のような、事柄も、検証は必要だ。 ■「うらしまたろう」との不思議な関係は、 平安初期の嵯峨天皇・淳和天皇・藤原氏・空海・如意輪観音の秘話を探る必要が出てくる。 そして、 その話が瀧山焼き討ちの根本原因の一つ…
皆さんどうも、らきむぼんです。 かねてより感想をまとめておきたかった、倉野憲比古さんの作品レビューを一挙に公開しました。 複数記事となっていますのでこのページから全て飛べるようにしておきます。 倉野憲比古さんとは? x0raki.hatenablog.com 倉野憲比古さんの代表作「心理探偵・夷戸シリーズ」の紹介 x0raki.hatenablog.com 倉野憲比古作品のネタバレ感想・解説 x0…
▶あらすじ あのH・P・ラヴクラフトが多大な影響を受けた鬼才ホジスンは、異界への憧憬と恐怖を大海原に求めた。本書には、闇の海から聞こえる奇妙な声が、キノコに覆われたとある島の怪異を語る傑作「夜の声」をはじめ、死の海サルガッソーや海に浮かぶ石の船、さらにはカビに呑みこまれた廃船などにまつわる海洋奇譚全七編に、<カーナッキ>シリーズの先駆「水槽の恐怖」を収録した。 (個人的な)点数 8/10 バミュ…
寒い日もありますが、だいぶ暖かくなってきたので植物の話を読みたくなりました。 京都西陣なごみ植物店 「紫式部の白いバラ」の謎 (PHP文芸文庫) 作者:仲町 六絵 発売日: 2017/05/02 メディア: 文庫 主人公の府立植物園新人職員・神苗ともに、プラントハンターを目指す明るい「植物の探偵」を名乗る花屋の実菜が京都を舞台に植物をめぐる謎を解き明かす。人は死なない日常のミステリー短編6作。書き…
ウミガメのスープはまず不可思議な状況があり、それに対して回答者が「YES/NO」で答えられる質問をして真相を突き詰めるという、しりとりや山手線ゲームのような「トークゲーム」の一種である。 水平思考を鍛えるものとしてポールスローンが紹介したことにより、「水平思考パズル」なんて呼ばれることもある。 これに推理小説に似た面白さがあるのではないかというのが、今回の記事の趣旨である。 ある男が、とある海の見…
次のページ